大つけ麺博2022、9杯目は華麗なる味変。

 作業はいよいよ大詰め。ですが、大つけ麺博も残すところ10日ほどになってきた。ここに来て、気になるお店が相次いで出店している。せっかく3年振りに開催されたのだし、出来るだけフォローせねば、と今日も気分転換を兼ねてバイクにてお出かけ。晴れていて助かる。
 いつも利用している駐車場に直行――はせず、今回は歌舞伎町近辺にある駐車場を利用することに。なんで普段こっちをあまり利用しないのかと言うと、無料時間がないパターンが多いのです。おおむね1時間100円程度とはいえ、長めの映画を観て食事をして離脱、という時間割だと、他の移動手段より高くつくこともある。しかし今日は食事しかせず、仮に行列に足止めを食らっても2時間で済む。本当に作業が大詰めで、ちょっとでも早く帰宅したいので、こちらを選択……実のところ、駐車料金以外にも、探しづらかったり段差が大きくて駐めづらかったり、と欠点は他にもあるんですが、ここは忍ぶ。
 徒歩移動が短縮できたお陰で、無事に11時の開場直前に到着。既にまあまあな列が出来ていて、場内への誘導が始まっていました。狙っていたお店は3つありましたが、あれこれと思案して優先順位はつけてある。第1候補に考えていたお店にもとっくに列が出来ている、しかし見積もって10分程度で提供されそうなので、直行しました。すぐに状況が把握出来たのは、なにせ入口すぐ手前のブースだから。

麺屋 中川會の1度で2度おいしい濃厚魚介つけ麺~やわらかチャーシューのせ~、トッピングはチャーシュー1枚増量&味玉。

 いただいたのは麺屋 中川會の1度で2度おいしい濃厚魚介つけ麺~やわらかチャーシューのせ~。トッピングはチャーシュー1枚増量&味玉です。
 トッピングはこのセットと角煮チャーシューの2種類のみ、チャーシューだけどかんと追加されるのは私の趣味ではないので、前者のみにしました。しかしこれ、特製トッピングを選択しなかった場合、デフォルトで添えられているのはチャーシュー1枚と長めのメンマ、スープに散らしたネギだけだったので、はじめからトッピング込みで注文して正解だった模様。
 つけ汁はこの分野では定番となった魚介系、ただし濃度はちょっと控えめな印象。つけ汁らしくパンチはありますが、このタイプによくある、まとわりつくような粘度はありません。魚介の味わいは主張していても尾を引かないので、かなり啜りやすい。
 麺は浅草開化楼謹製の、もちっとしていて小麦の風味がすうっと入ってくる極太麺。こちらも定番ですが、麺そのものの味わいはシンプルで、とても馴染みやすい。味わい深くすっきりとしたつけ汁とも相俟って、王道だけどとても食べやすい。もともと評判のお店でしたが、これは納得がいく。
 特徴的なのはチャーシューです。しっとりと仕上げたり、あえて水分を少し飛ばしてつけ汁が浸透しやすくしたり、とあれこれ工夫があるなかで、こちらは大振りな上にしっかりタレがついている。単体でも充分に美味しい、どころか、これが乗った麺にもタレが付着しているので、チャーシューをつけ汁に浸さなくても、ちょっと味に変化をもたらすようになっている。味噌に似たタレの風味はつけ汁と同じくらい主張が強いんですが、しかしつけ汁に浸しても混ざっても決して衝突しない。巧く溶けあって、変化と満足感を強めてます。これは実にいい取り合わせ。
 最近使うところが増えているけど私が今年大つけ麺博で食べたなかでは初の、長めのメンマで歯応えのアクセントを楽しみつつ、半分ほど食べ進めたところで、売りにもなっている味変用の調味料を投入。トレイ端にあるくぼみから箸で掬って移し(このためだけにスプーンが欲しかったかも……)、店頭の注意書きに従って、つけ汁とよく掻き混ぜる。そして残してあった麺を浸して啜る。
 完全にカレーつけ麺になった。
 添えてあるのが完全にカレー粉なんですから当然っちゃ当然なんですが、しかしつけ汁に無理矢理カレー味を加えた乱暴な味ではなく、鰹出汁を使った蕎麦屋のカレー風の、スパイスと出汁のうまく調和した味わいになる。あえて一般的なつけ汁よりも粘度を落としたのは、このためだったのかも知れません。
 味変が本当に華麗すぎて、ここからがまた早い早い。個人的に、ず~っと捜し求めていたカレーつけ麺の味そのものだったこともあって、あっという間に麺を平らげてしまった。物足りなくて、つけ汁もそのまんま啜って完飲してしまう始末――ここは今回スープ割りを提供してないんですが、この緩さと味の濃さなら必要ありません。
 基本の状態でも極めて完成度が高く食べやすいつけ麺、なのに味変も鮮やかで、個人的には最高の仕上がり。これもイベント特別仕様のようですが、もしレギュラー化してくれるなら、実店舗も足繁く通いたくなるくらいのヒットでした。実はこのお店、たま~に利用している錦糸町の映画館にも近いため、前々から気には留めていたのですが、普段使う駐車場と錦糸町駅を挟んで反対側、という絶妙に面倒な距離にあるため、立ち寄ることもしていなかったのです。でもこのクオリティなら、たとえこのメニューが食べられないとしても、そのうちに訪れます。

麺屋 中川會ブースの看板。

麺屋 中川會ブース待機列スペースの柵に提げられていた謎の啓示。
麺屋 中川會ブース待機列スペースの柵に提げられていた謎の啓示。つけ麺は信仰。

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