TOHOシネマズ日本橋グランドオープンにつき、ほぼ1日滞在。

 ……してきましたが、観られたのは2本だけでした。一昨日の危惧がもろに的中して、終日オペレーションの拙さに振り回されました。

 順を追って記しましょう。

 スケジュール発表と同時に色々と時間割を考えたうえで、早めに現地入り――したかったのですが、自宅で若干手間取ってしまい、到着したのは10時50分くらい。小雨がそぼ降るなか、傘を差したひとびとが、コレド室町2を取り巻くように並んでいました。

 ただ、この列が何なのかが解らない。整理をしている係員のかたに訊ねると、コレド室町2に入るひとすべてが並んでいるとかで、TOHOシネマズに来館するひとも列に着かねばならないらしい。それでは仕方ない、と大人しく並ぶ。とはいえ、何だかんだで上の階に入れたのは11時10分ぐらいでしたから、ここまでは問題はなかった、と言える。

 3FにあるTOHOシネマズのロビーは、既にひとでごった返していました。

 11時を目標にしていたのは、第1のお目当てである、14時10分スタートを予定している特別上映の無料チケット配布がその時間から始まる、と聞いていたからなのですが、もしかしたら劇場自体はもっと早くオープンしていたのかも知れない。が、それにしたって凄まじいひとの入りで、いったいどこで何をしているのかがさっぱり解らない。売店に並ぶ列、チケットカウンターに並ぶ列、スクリーンに向かう列、その中にイベントチケット配布の列が紛れてしまって、どこに行けばいいのかまったく解らない。この狭い中に複数の列が乱れることを考慮していれば、パーティションできっちり列を配分したり、“最後尾”の札を用意して注意を喚起することも出来るでしょうに。しかも、目当てのイベントのチケット配布は、待機場所を2階の連絡通路に指定していた、と私はここで初めて知りました――私、きのう来たときに、イベントについて訊ねたんですけど。待機場所が指定されてる、なんていっさい案内がなかったんですけど!

 それでもイベントのチケットは無事に確保出来たからいいんですが、問題はこのあとです。今度は正規のチケットカウンターに向かい、フリーパスを発行してもらって、イベント前に観るつもりだった11時30分からの作品のチケットを確保しないといけないんですが――列がまったく進まない。

 列がなかなか動かないのは、ある程度まで想定内ではある。オープン初日で、恐らく研修を終えたばかりの係員も多いはずですから、捌きかたが不慣れなのも事実でしょうし、客の側にも要領が解らないひとは少なくないはずで、手間取るのは仕方ない。しかしいけないのは、それならそれで、責任者が早めに指示を出して、上映開始が近い回を鑑賞する客を別の列に誘導して、優先的に発券を行う、という配慮が必要なのに、なかなか動かない。

 ようやく係員の呼びかけがあったのは、既に対象作品が開場した11時20分頃。そのうえ、開放したのが有人カウンターたったひとつだったせいで、折角列を分けたにも拘わらず、依然として進まない。あろうことか、上映開始時刻10分ほどを過ぎても、私まで回らず、私の後ろにも多くのひとが待っている始末。どうしようもないので、私から近くの係員に呼びかけて、有人カウンターをもうひとつ開放させました。

 気づいたときには、ひととおり列は消化されていましたが、そもそもそんな段階まで、上映開始が近い作品が目当てで訪れていた客を残す時点でどうかしている。私はフリーパスの発行手続もあり、更に時間がかかるのは明白でしたので、他のかたを優先してもらって、一昨日に続いて責任者を呼び出し本気で説教しました。初日で混乱するのは予想できるんですから、なんでそこで工夫が出来ないんですか、と。工夫が見えたうえで混雑しているのは仕方ないにしても、あまりにも係員の対処が遅すぎる。

 もともと今日はいちにち居つくつもりでしたし、イベントのチケットは確保してあるので、それだけで帰るのは勿体ない。予定通りフリーパスは発行してもらい、イベントあとに鑑賞するつもりでいた別作品のチケットを発行して、しばらく時間を潰すことに。

当初は1本目から2本目まで、けっこうきっちりと嵌まった時間割だったので、昼食は劇場のコンセッションか、近くのコンビニで軽いものを買って済ませるつもりでしたが、大幅に時間が余ってしまったので、オープン当日で混雑している飲食店を見て回り、気になった店に入ってみることに。お陰で私のよーな食の趣味が狭い人間でもそれなりに気になる店があるのが解りましたし、入ったところも当たりだったので、あまった時間もそれなりに有効活用出来たんですけど。

 目当てのイベント、というのは、4月4日より正式公開予定の、鷹の爪7〜女王陛下のジョブーブ〜』(DLE Inc.配給)ワールドプレミア試写会です。この作品、タウンワークが全面提供するかたちで、おごりで公開する、ということになっているので、東京アニメアワードフェスティバルの一環として行われるこの上映も、舞台挨拶つきにも拘わらず無料、という太っ腹ぶり。最近、このシリーズは常にイベント上映で観ているので、私としては押さえたかったわけです。

 本日、この作品の上映に先駆けて、近くでレッドカーペットイベントも催されることになっていた。当初の心積もりでは、先に1本観てからすぐにこちらの本篇に臨むつもりだったため、私自身は関心はなかったんですが、前述の通り、1本目のチケット確保に失敗して、時間は余っている。なら、なぁんとなく眺めて、もし写真撮影が出来るなら感想に添える素材にしようかしら、ぐらいに考え、チケットと一緒に受け取った案内地図を確認して、開始時刻間際にその付近に行ってみた。

 ……どこでやってるのか解らない。

 地図では間違いなくこの建物のなか、となっているのに、そこはどー見ても銀行で、なかでギャグアニメのレッドカーペットイベントをやるような気配は微塵もない。しばらく周囲をうろついて、開始時刻をだいぶ過ぎたあたりで、こちらの鑑賞を諦め劇場に戻った。

 戻ったけれど、どうにも釈然としない。そこで先刻、チケットを配布していたTAAF特設カウンターで、事情を訊ねてみた。ちゃんとイベントは開催されているはずですが、と首を傾げる先方と、配られた案内図を見て、やっと理由が解った。

 こんなにじっくりと居座るのは初めてですが、年がら年中近くを通っていた私には多少なりとも土地鑑があるため、私は下のように、貰った案内図の地図のあたりだけを確認していた。

私はこの辺を集中して見ていた。

 しかし、頂戴した案内の全体は、実はこういう風になっていた。

レッドカーペット会場への案内図。

 漠然と眺めただけなら、私に限らず見落とすひとは多いでしょう。実際、これを作成したスタッフは完全に見落としていた。

次回予定にも何か入れればいいのに。

 地図の囲ってる場所が違うじゃねーか!!

 この時点でもうだいぶ気疲れしてましたが、イベント上映を挟んで、この劇場で私にとって初めてとなる通常上映である次の回、もう1発仕掛けられてしまった。

 上映開始は17時ちょうど、開場時間は10分前。その頃合いを見計らってコンセッションに並び、ドリンクとポップコーンを買ってスクリーンに入ろう、と思っていたんですが……またしても列の流れが悪い。映画館によっては、売店の列を一本化してスムーズに客が捌けるようにしていますが、どうもTOHOシネマズはどこに行ってもこういう工夫をしようとしない。私の前にいた女性ふたり連れの注文を捌くのに異様に時間がかかり、そうしているあいだにあとから並んでいたはずの近くの列もどんどん短くなり、私が買い物を済ませたのはほぼ上映開始時刻だった。

 大慌てでスクリーン入口のほうへ向かうと、そこにもまた列が出来ている。何と、私が観る予定の作品を鑑賞するひとたちが、中に入れてもらえずに待ちぼうけを食っている。トラブルが発生したとかで、入場を制限しているらしい。

 正直、ここまではまあ仕方がない。売店で手こずるのはよそでもありますし(混んでいるときに列を統一するぐらいの工夫はいい加減やって欲しいですけど)、トラブルで開場が遅れるのも、頻繁ではないにしても起きうるケースです。が、まずいのは対処の仕方です。

 しばらく待ったあと、ようやく入場できましたが、しかしスクリーンのある上の階まで行ったところでまた止められた。どうも、ロビーの混雑を避けるために順次客を通していたようなのですが、そのあいだにも業者や、先に入場したと思しい客が出入りしているのに、狭い通路に大勢の客を足止めしたせいで、身動きが取れない。施設の通路の狭さは解っているはずなのに、朝方のロビーでの混雑と同様に、“動線”というものをほとんど考慮していない。

 しかも、これでだいぶ上映が遅れそうなのに、どういうかたちで遅らせるか、という説明が出来ない。館内でいちばん大きいスクリーンでの上映ですから、客を入れるだけでもそれだけの手間がかかる、というのに、その点を考慮してこのくらい上映時間を遅らせる、という判断を、ここまで客を通しているにも拘わらずまだ出来ていない。

 結局、20分ていどの遅れで上映がスタート、予告篇を省くことで、本来より15分遅れの19時10分には終映となりましたが、段階的にスケジュールの調整を行い、対応の状況に合わせてアナウンスするだけでも混乱は避けられたはず。しかも、私が退場するとき、ロビーから聴こえてきたアナウンスでは、平然と上映開始を19時20分とアナウンスしていた――もう、間に合わないのは確実だというのに。

 スケジュールが遅れるのは仕方ない。でも、遅れるなら遅れるで、ちゃんと客に誠意をもって告知をしなければ不満を与える。朝の状況にしても、初日ゆえに管理の難しいレベルで混雑が生じ、スケジュールに遅れが生じることをまったく想定していない。考えていれば、初日は上映時間の間隔を広めに取る、ぐらいの対策だって予め講じられたはず。いや、仮にその想定が出来なかったとしても、TOHOシネマズといえば日本で最大のシネコンチェーンであり、新規オープンや改装オープンは幾度となく経験しているわけで、そのノウハウをきちんと研究していれば、もっと手際よく捌けていたはず。

 退場するとき、スクリーン通路に客を足止めする場所については再考していたようで、その辺は私も苦言を呈した甲斐はあったようですが、そもそも指摘されるまで考慮していない点が多すぎるのはプロとしてどうなのか。前々からTOHOシネマズは規模のわりにオペレーションが雑だ、と感じていましたが、大規模商業施設での同時オープン、という状況で、その欠点が一気に噴出した印象でした。

 と、劇場のグランドオープンはツッコミどころだらけ、つまりはネタだらけだったわけですが、観た映画自体は非常に面白かったし、イベント自体も愉しかった。それを、ダラダラとクソ長い愚痴と一緒にして言及するのは申し訳ないので、その辺は別項を立てて綴ります。

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