レンタルDVD鑑賞日記その674。

 久々にレンタルで映画を鑑賞。スティーヴン・ソダーバーグ監督作『ガールフレンド・エクスペリエンス』と『Babble/バブル』をセットにしたもの。ただし前者は劇場公開当時に鑑賞してるので、今回は観逃していた後者だけ鑑賞。アメリカの田舎町で、貧しさと仕事に追われながらも静かに暮らしていたひとびとのあいだでにわかに殺人事件が発生する。
 と書くとミステリー風ですが、謎解きとしての面白さはぶっちゃけ、ありません。むしろ、それだけ自明にも拘わらず、そして派手な描写がないにも拘わらず、しっかりと緊張感や謎を演出する演出の絶妙さにただただ唸らされます。非常に淡々としているのに無駄がなく、見終わってみれば狙い澄ましたカットが巧みに挿入されていることに気づく。シンプルだからこそ、ソダーバーグ監督の映画作家としてのセンスが濃縮されてる感がある。
 ちなみにこの作品、出演者は撮影地で起用した素人ばかりで、実際、ほとんどがフィルモグラフィーに記載されてるのはこの作品だけ(マーサを演じたひとは最近になって違う作品に出たみたいですが)。しかもそれぞれの自宅を使って撮影したそうで、だから不慣れさもなく、それぞれの家に並大抵ではない生活感が滲んでます。だからこそ余計に、非日常の事件がその実、ほんのちょっとしたきっかけで発生しうる、ということを実感させる。
 シンプルだけど深い傑作。なんで他の作品とセットでリリースすることになったのやら……短すぎるからか?

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